七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 123話

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 123話

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七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~」123話
 

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 123話

 冬休みが明け、双子とエメルは帝都へ帰った。そして卒業以降ダルディエ領にいたシオンもしばらく家を空けるという。グラルスティール帝国のあちこちを回ると聞いていた。

「いいなぁ、シオン。ミリィも行きたい」

 シオンとベッドに入り、明日屋敷を出るというシオンに絡みついた。

「言っておくけれど、遊びじゃないからな」
「そうなの?」

 ただの旅行だと思っていた。

「……もしかして、一緒に影も付いてくる?」

 シオンが無言のところを見ると、間違いなさそうだ。影がついてくると言うことは、何か裏方の仕事か何かである。そうであれば、私はついて行くことは不可能だ。

「分かった。でもあまり無茶しないでね。ちゃんと無事に帰ってきて」
「分かってる」

 本当に分かっているのだろうか。シオンは戦闘力が高いものだから、自分から突進して行きがちである。

「どれくらいで帰ってくるの?」
「二、三か月くらいだな」
「帝都にいたときみたいに、時々連絡してね?」
「なんだ、寂しいのか。ディアルドやジュードがいるだろう」
「寂しいよ。ディアルドやジュードは好きだけど、シオンがいない寂しさを埋めるのは、シオンしか出来ないのだからね」
「分かった分かった、連絡するから。ミリィも連絡するんだぞ」
「うん」

 少しぶっきらぼうに言う兄が愛しい。

「ねえ、シオンがいるなら、護衛がいらないでしょう? いつか遠出に連れて行ってほしいな」
「まあいいけど。いつかな」

 そのいつかがいつ来るか分からないが、こう見えて一度約束したことは破らないのがシオンである。いつかが来るのが楽しみだと思いながら眠りにつくのだった。

 それからシオンは屋敷を去り、私はいつもの生活をする日々。その中で、ずっと何度もジュードと共に試作を繰り返していたブラジャーが良い出来に仕上がってきた。十二才になり、最近胸が大きくなりだしたことから、しばらく私がモニターとなって使ってみようということになったのである。

「どう? 痛くない?」

 衝立の向こう側からジュードが声をかける。つけてみたブラジャーは、生地も柔らかくて痛くない。試作品第一号は、ブラジャー下の骨組みが痛かったりしたのだが、全て改善されている。

「今度のは痛くないよ。これなら付けてみてもいいかも」

 そしてその日からブラジャー生活を始めた。成長期だからか胸が痛いこともあるので、早めにブラジャー開発をジュードにお願いしておいてよかったと思う。

 それから、ジュードにはもう一つ、現在開発をお願いしていることがある。それは前世でいうパンプスタイプのハイヒールの靴だ。私たち女性の普段の靴はブーツが主である。それは貴族も平民も同じで、差があるといえば値段が高いか安いかの違いくらいである。ブーツ以外では、男性も履くような靴に太ももまでの靴下を合わせるかである。ブーツはすぽっと履けるブーツもあるので、楽と言えば楽である。ドレスに合うブーツもあるので問題はない。ただもっとドレスを綺麗に見せることができるハイヒールの靴があればいいと思っていたのである。

 まだハイヒールの靴は私の意見を聞きながら作成の途中であるが、将来的に私が夜会に出るようになる頃仕上がればいいので、気長にやっている。それでなくとも、ジュードにはいろんな開発をお願いすることが多いので、負担をかけ過ぎはいけない。ジュードが頼んでいる職人も、変なものばかり作らされると思っているかもしれない。

 そして季節は春。シオンが帰ってきたのである。

まとめ

お読みいただき、ありがとうございます。
次回に続きます。