七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 121話

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 121話

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七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~」121話
 

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 121話

 現在私がいるのは、ダルディエ邸の敷地にある護衛騎士の訓練場である。シオンとその横に護衛騎士の一人が立っていた。

 先日、ジュードに何でもいいので武器の訓練がしたい、また弱い力でも一撃で倒せる技があるならできるようになりたいとお願いしたのだ。体力をつけるために運動をしているが、それ以上のこととなるとジュードはいい顔をしなかった。けれど、ディアルドやシオンと話をしてくれて、晴れて技を教えてもらえる事になったのである。

 まずは武器を使わない、一撃で倒せる技を伝授するという。そういったことはシオンが得意なのである。たくさん覚えすぎても実践で使えないと困るので、四つの技を体にしみこませるくらい覚えろと言われた。うん、頑張ろう。

「まずは一つ目。一度やってみせるから、見てろよ」

 シオンは護衛騎士を隣に立たせた。護衛騎士は何が始まるのか分からなくて困惑している。
 シオンは一瞬で護衛騎士の男の大事な部分に膝を上げた。

 それって、金的攻撃――!

 護衛騎士は大事な部分を押さえて、屈みながら声にならない声を上げて悶絶している。私も驚いて口に手を当てた。護衛騎士にそろっと近づく。死んでないよね?

「だ、大丈夫?」

 顔が真っ赤である。大丈夫ではなさそうだ。

「シオン、これ本当に訓練するの?」
「当たり前だろう。これは真っ先に教えるようにジュードが言ってる」
「だって、これ男の人にしか効かないじゃない」

 女性の場合、スカートが邪魔である。

「女に効くやつは別で教えるから。言っておくけれど、今は膝を使ったけど、この技を使う場面が膝が使えるとは限らないし、手や肘を使って攻撃するのも教えるから」
「そんなに使う場面あるかな。この技使ったら痛そうよ」

 ちらっと護衛騎士を見る。

「ミリィを襲うやつがいたら、思いっきりぶちかませ。生涯使い物にならないくらい徹底的に」

 確かにそんな場面であれば、この技を使ってもよさそうだ。

「……わかった。思いっきり潰すつもりでね」
「そうだ。潰して後悔させてやれ」

 何を、とは言わないが。

「でもシオン。練習の前に防具を作ろう」
「防具? なんでだ」
「だって練習台ってそこの護衛騎士でしょう? 悪い事何もしてないのに、潰しちゃ可哀そう」

 護衛騎士が私の言葉にびくっとした。
 結局、この日の金的攻撃訓練は別の日にすることになった。防具はジュードに作成を依頼した。

 金的攻撃は次回となったが、それ以外の攻撃の方法の続きを教えてもらった。喉を潰す攻撃、首の側面の頸動脈を打つ攻撃、目突き攻撃である。どれも力のない私でもできる技で、いつでもできるように練習は必要であった。

 ただし。とシオンは言う。

「一撃必殺技を教えたけれど、使わないで済むならそれがいい。逃げられるなら逃げたほうがいい。大声を出してすむなら、そのほうが良い。まずは危険を回避するのが一番だ。あくまでも技を出すのは最終手段だからな」
「分かった」

 確かに一撃必殺とはいえ、それで大したダメージがなければ相手は逆上してしまうだけである。一撃必殺技で逃げる時間を稼ぐのがせいぜいだ。

 シオンの言葉を肝に命じながら、練習に励んだ。

まとめ

お読みいただき、ありがとうございます。
次回に続きます。