七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 119話

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 119話

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七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~」119話
 

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 119話

 今日は北部騎士団で乗馬の練習をした後、騎士たちの訓練を見ていた。訓練を終えた騎士たちが上半身裸で水浴びをしていた。秋になったとはいえ、身体を動かすと暑くなるのは当然である。騎士たちの引き締まった体や筋肉を見ながら、あの筋肉を付けるには、私の場合、あとどれくらい頑張ればいいのかと思う。筋トレしているのに、なかなか騎士たちのような肉体美には程遠いのだ。

「おーい、何やってるんだ?」

 ぼーとしていると、ラウ公爵の長男ルーカスが私の前に手を振っていた。

「騎士たちの筋肉、ミリィも付けたいのに、難しいなーて考えてた」
「なんだそれ。うちの姉上たちみたいに用もないのに騎士団へやってきて、騎士の裸覗いてるのかと思った」
「騎士の裸を見ていることは間違いないわね。あそこまでぼこぼこしてなくてもいいのだけど、もう少し筋肉つくといいなと思うの。ねえ、見て。腕立て伏せしているのに、力こぶできないのよ。おかしいと思わない?」

 私は腕を曲げ、滑らかな上腕二頭筋を見せた。

「腕立て伏せだけじゃ駄目なのかしら」
「俺の見る?」

 ルーカスが腕を曲げると、力こぶができた。やせ型だがしっかり訓練しているだけあって、筋肉はちゃんとある。しかし少しムッとしてしまう。

「見せびらかさなくてもいいんですけど?」
「お前変なこと気にしてるのなー。うちの姉上のほうが健全な気がしてきた」
「あのね、昔から騎士たちの裸見てきているし、お兄さまたちの裸も普通にいつも見てるのよ。どうしてわざわざ覗いたりする必要があるの? たとえルーカスがすっぽんぽんでも気にしないわ」
「そこは気にしろよ……」

 ルーカスはあきれ顔である。

「それよりも、気になることがあるのだけど。ちょっと立ってみてくれる?」
「なんだよ?」

 ルーカスが立つのに合わせ、私も立つ。身長が全然違う。同じ十二才でここまで差がでるものだろうか。

「ねえルーカスの身長は?」
「百五十五センチくらいだったかな」
「……うそでしょ。ミリィって百四十センチくらいしかない」

 私は体もあまり大きくない。とてもルーカスと同じ年齢とは思えないのだ。

「うちのパパとママ、二人共身長高いからミリィも伸びると期待してるのだけど。ママくらいの身長憧れてるの」

 ママの身長は百七十センチを超えているのである。百九十センチはあるパパと並んで立つと素敵なのだ。

「別に小さくてもいいじゃん」
「嫌よ。背が高い方がドレスも綺麗に着こなせるでしょう。うちのママ、夜会のドレス着てる姿、超絶素敵なのよ。あんな風にミリィもなりたい」
「公爵夫人は確かに綺麗だけどさ。身長低くても綺麗な人いるじゃん」
「もう! 分かってないんだから! そういう話してるんじゃないの!」
「何急に怒ってるんだよ?」

 身長低くても、などと妥協案を言われると、もうお前が身長高くなるのは無理だと言われているような気がするのである。

 その後すぐルーカスは訓練に戻っていった。
 一年も親元を離れるにも関わらず、ルーカスはいつも楽しそうだ。訓練は好きなようで、東部騎士団とは違った訓練に興味津々であるし、いつも姉たちに囲まれていた生活から、兄たちに囲まれる生活に変わったのも楽しいらしい。勉強も必要なので、一緒に家庭教師から勉強を学んでいるものの、ルーカスは頭も悪くない。やはり次期公爵として、色々と学んでいるのだろう。

 ルーカスが来たことで、同じ年の子ということもあり、私にも刺激があった。体格や体力など勝てる要素が何もなくて、少しでもその差を埋めたくて私もより一層体力づくりに励んだ。もちろん勉強は負ける気はない。

 ルーカスのことを勝手に心の中でライバル扱いして、もっと自分磨きを頑張るのだった。

まとめ

お読みいただき、ありがとうございます。
次回に続きます。