七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 118話

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 118話

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七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~」118話
 

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 118話

 夏がやってきた。ダルディエ領へ戻った私は、ジュードとブラジャーの開発に乗り出した。パンツの時にも思っていたが、ジュードは女性の下着というものに関わる事を恥ずかしいなどという感情はまったく起きないようである。かなりきわどい話をしても、全然動じないので私もやりやすいのではあるが、他の大人の女性とも普通に下着の話をするというから、なかなかの鉄の心臓だと思う。

 パンツを作る時まで下着という概念自体がないに等しかったことも理由かもしれないが、ジュードと話す女性側もジュードになら話せる、ということも多いようで、あの女性的な顔が話しやすいと感じるのかもしれない。
 数年後には私も胸が大きくなる予定(願望)なので、それまでにはどうにか納得できるブラジャーを作りたい。

 そして夏休みとなったため、シオン、双子、エメル、カイルが続々とダルディエ領へ帰ってきた。恒例の湖での水遊びだが、ここでも女性側の水着に改良を加えている。前は足を出さないためにワンピースタイプにスカートを付け、膝までのズボンが付いた形だったのだが、思い切って足を出すタイプも作ってもらった。つまりワンピースタイプの水着にズボンではなく、パンツのラインから生足がでるタイプのものである。ジュードはしぶしぶという形であったが作ってくれたので、兄たちに披露した。ディアルドは案の定、足を出しすぎだと言ったが、双子は「かわいいじゃーん」と笑っていた。ただし兄たちの共通の意見としては、この水着はこの湖でしか着てはいけないという一言は付けられたが。このタイプはまだ販売にこぎつけるのは難しそうである。ただズボン付きタイプは年々ラウ領で人気となっているらしく、海水浴をする人も増えてきているとのことだった。

 そして夏休みは終わり、兄たちは帝都へ帰った。私は十一歳になった。

 猫のナナの涙が万能薬になる、という件は、偶然ナナがあくびをしている時に涙が流れているのを見て、すぐに採取した。ただ誰もケガしていないので効能を試しようがないと思っていると、ジュードがあっさりナイフで自分の指を切った。そういうこと止めてほしい。ジュードを怒ったら、良かれと思っただけでもうしないと言うので許した。そしてジュードが自分を実験台にしてナナの涙を付けてみたら、傷がみるみるうちに治ってしまった。すごいとは思ったが、これは誰にも言うべきでないと判断した。だからナナの涙について知っているのは、私と兄たちとパパとネロだけである。

 そして冬になり、今年はダルディエ領は大雪の日が続いた。とにかく寒くて、風邪をひいてはいけないからと、騎士団へ行く日が極端に減った。それでも体力を付けることは止めたくないので、ディアルドとジュードの運動メニューの元、屋敷の中で体を動かした。

 アナンとカナンは家庭教師の先生が一緒なので、毎回ではないけれど、一緒に勉強することもあった。アナンは勉強が嫌いなようだが、意外と覚えは早いと思う。カナンは勉強熱心で、先生もよく褒めている。使用人として覚えることも、呑み込みが早いと家政婦長も褒めていた。本人は早く私の侍女をやりたいと息巻いているが、いつも私を見る目が異様で、私としてはカナンが侍女になるのはまだ先でいいと思っている。カナンは髪が伸びてすごく可愛らしくなった。最近では服を仕立てる技術をめっきり伸ばしたアンが作った服を着ているのだが、ところどころにある斬新なデザインがカナンにとても似合っている。アンの妹のラナも最近はアンの洋服作りに興味があるようで、将来は姉妹で仕立て屋となる可能性もあるかもしれない。

 そして社交界シーズンがやってきた。帝都へ向かった私はアカリエル公爵邸によく顔を出した。最近ではシオンはあまり天恵の訓練にやってきていないというが、私としてはオーロラをブラコンにし、ノアとレオをシスコンにする使命があるのである。ただ、もう私の役目は終了でもいいかもしれない。オーロラはすっかりブラコンであるし、ノアとレオもバリバリのシスコンに育っていた。オーロラは天恵の訓練をしているようで、もう二人でいても前のように飛ばされることもない。オーロラは私に懐いてくれているし、とにかく可愛くて、これは兄でなくともメロメロになる。

 そしてテイラー学園に顔を出したり、皇太子宮でお茶をしたりしているうちに、またダルディエ領へ戻ってきた。すぐに夏休みに入り、兄たちも帰ってきた。今年はなんとシオンが学園を卒業した。卒業試験もあったはずだが、たぶんシオンにしか使えない技を使っているに違いない。シオンは卒業後何をするつもりなのか。パパとは話し合っているはずではあるが、よく分からない。今度聞いてみようとは思う。そして夏休みが明けて、双子とエメルとカイルが帝都へ帰った。

 あっという間に十二才になった。
 また夏休みが明けたばかりの残暑の時期、珍しい顔がダルディエ領へやってきた。ラウ公爵家の長男ルーカスである。これから一年間、北部騎士団で訓練をするのだという。そのため、うちに住むらしい。

 ラウ公爵家では、男子を東部騎士団ではなく、他の騎士団で修行をさせることを代々的にやっているらしい。ルーカスのパパも昔うちに修行に来たことがあるという。今年は賑やかな年になりそうで、とても嬉しいのだった。

まとめ

お読みいただき、ありがとうございます。
次回に続きます。