七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 70話

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 70話

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七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~」70話
 

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 70話

 シオンが冬休みになる前に帰ってきてから、私の添い寝担当はしばらく双子ではなくシオンになったらしい。毎日口に出さずシオンと会話していると、気づいたら眠っていた。

 ためしに、シオンのお風呂中に心の中で話しかけてみたが、やはり私の髪を持っていない状態の時は反応がなかった。ちなみに、私の髪はどこにあるのかというと、小さな開閉できるペンダントの中に入っていた。お風呂の時以外は、それを首から下げることにしているらしい。

 だから、お風呂に入っている時以外にシオンに用事があるなら、シオンに私から心の中で声をかければ、反応をかえしてくれると言っていた。電話みたいだなと思う。便利である。

 また、実は体の一部であれば髪である必要もないらしく、爪とか指とかでもいいらしい。うん、よく考えると、他人の指を持ち歩くとか、どういう状況よ、という感じだし、かさばるし怖いしね。髪なら簡単に手に入るから、髪にしているのだとか。

 それに、私の髪が入っているペンダントではなく、小さくて薄い鉄の蓋つき容器の中身をシオンが見せてくれた。中に誰の髪か分からないものが、複数本入っていた。何に使うのか、怖くて聞かなかった。なぜかシオンは影のネロと一緒にいるのをよく見かけたし、影が使うような身体の動きをすることがあるし、何か裏で髪を使ってやっているのだろう。その理由は聞かないのが一番だ。

 シオンはダルディエ領に帰ってきてから、夜寝るとき以外は何しているのか謎だった。ときどき騎士団で見かけることがあるが、他の時間で勉強をしている雰囲気はない。もともと勉強をしているのを見ることが少なかったが、よくテイラー学園の入学試験に通ったものだと思う。

 私は気分転換に、前に双子が言っていたように、街へ出る許可をパパから得た。男装をするため、護衛を一人連れて行くことになった。最初は一人で行くのではなく、パパかママがいるときに街に行けばいいと、危ないからと渋られた。だから、一時間だけ、と言って許可を得た。短い時間なら、と渋々許可を貰えた。時間は徐々に増やしていけばよいのだ。これも作戦のうちである。

 一時間ではほとんど街を楽しむことなどできないが、街の様子を見るだけでも楽しかった。悪夢のことを考えるだけで鬱々としてしまっていたが、いい気分転換にはなる。五日に一度ほど街へ出て、街中の様子を見て帰る、そんなことを繰り返しながら、よく考えたらお金の使い方が分からないことに気づいた。欲しいものがあるわけでないが、今度兄の誰かに教えてもらおうと思った。

 そうこうしているうちに、ディアルドとジュードが帝都から帰省した。数日遅れてエメルも帰省し、ダルディエ公爵家は、久々に子供が勢ぞろいして賑やかになった。

 帰省組の三人が、何やらシオンと私の添い寝について言い争いをしていたが、結局、帰省組とは添い寝交代やローテーションすることはしないと決定したのか、ずっとシオンが添い寝担当だった。

 そしてシオンの添い寝が一か月ほど続いたころ、兄会議たるものに呼ばれた。呼ばれた先は、図書室に隣接する広めの勉強部屋で、テーブルは円卓になっていた。朝食のあとなので、兄たちは普段なら別々に何かしている時間なのだが、すでに部屋には兄たち全員が座っていた。

 テーブルの席は全部埋まっていて、ジュードが立つと私を抱えて座ってから、私を膝の上にのせた。
 何が始まるのだろう。いつになくドキドキする私は間違っていなかった。
 シオンが口を開く。その内容を聞いた私の全身から、ぶわっと冷や汗がふきだした。

まとめ

お読みいただき、ありがとうございます。
次回に続きます。