七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 60話

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 60話

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七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~」60話
 

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 60話

 カイルと一緒に過ごしたお祭りは、本当に楽しかった。
 現世で何かを買い食いすることなど初めてで、それはカイルも同じだったようで戸惑っていた。しかし子供と言うものは順応力が高い。あっという間に慣れて、好きな物を食べてお腹いっぱいと満足だった。

 好きな物といっても、私の場合食べれるものは限られるので、いちいち使っている食材を聞きながら買うので面倒だったが、カイルは文句も言わず機嫌が良さそうだったので安心した。
 ちなみに、購入する役は護衛の一人である。パパに指示されたらしい。

 それから輪投げや的当てなどのゲームをしたり、大道芸人の芸を見たりと、楽しい時間はあっという間に過ぎていった。

 カイルとの別れ際、社交界シーズン中は帝都にいるので、その間にまた会おうと約束をした。

 そしてある休みの日。
 ジュードが寮から一時帰宅した。パンツの件で私と話し合いをするためだが、帰ってきた日はジュードは私から片時も離れなかった。歩けるのに、移動でさえ私を抱えたがるのだ。
 これはいつものことなので慣れているが、せめてパンツの件について話し合う間くらい、抱っこせずにテーブルをはさんで面と向かって話し合いたかったが、言っても無駄だった。

 先日十五才になったジュードは、背は百七十センチほどでそれなりの高さなのだが、相変わらず美少女にしか見えない。スカートをはいていないのに街でナンパされることがあるらしく、そのたびに武術で対処しているという。武術とは穏やかではないが、剣でないだけマシだろう。相変わらず顔に似合わず武闘派なのだ。

 美少女に見えるのは、髪の毛の長さもあると思う。綺麗な金髪を腰あたりまで伸ばし、それをひとくくりに結んではいるが、どう手入れしているのか髪質がサラサラで、見た目にも綺麗なのだ。
 もう少し短く切ればいいのにとも思うが、このキューティクルな髪を切ってしまうのももったいないから、言わないでいる。

 パンツの実物は、改良を加えまくったおかげで、第一弾のものとしては満足いくものができあがっていた。私を抱っこして座っているジュードの、腰に回された手のせいで動きづらいのだが、椅子の横では職人らしき人がジュードの補佐をしてくれているので、なんとかパンツを一枚一枚確認できる。

 パンツはどれも前世で穿いていたものからイメージして作っている。

 まず一枚は私が着るためのパンツで、サイズも私用。子供用なので、大人のものよりゆとりがあって、動きやすいもので作ってもらった。ちょっとかぼちゃパンツに似ているかもしれない。五歳だからね、今はこれでいいのです。子供用は男女兼用の予定。
 もう一枚は大人の女性用で、前世でも一般的にはかれていたタイプ。こちらはレースも使って、大人っぽっさの中に可愛さも入れてみました。また、女性用はもう一パターンとして、ボクサータイプも作ってみた。
 もう一枚は大人の男性用で、こちらはトランクスタイプとボクサータイプの二種類。

 とりあえずは清潔感のイメージが大事だと思うので、色は全部白で作っている。また私はパンツと言っているが、現世ではパンツが言いづらい単語だということがあり、パンツは『下着』で売り出す予定だ。

 せっかく作ったパンツだが、最終的に貴族や平民などみんなに普及させたいという目標がある。だから、ジュードにお願いしてゆくゆくは大々的に売り出そうとは思っているが、まずは現世の人たちに定着させるためにも、貴族から攻めていく必要があるのです。

 だから、モニターとして、子供は私、大人の女性用はママ、大人の男性用はパパやディアルド、ジュードがしばらく履き心地など試していく予定である。

 それにしても、パンツって、着用する場所が場所だし、お年頃のジュードにお願いしようかどうか最初は迷ったのだが、話してみるとジュードは恥ずかしがることもなく、普通にパンツ作成に了解してくれた。パンツは普及しているものではないから、まだ恥ずかしいというイメージがないのかもしれない。

 ところで、パンツを作る上で、女性としては避けて通れない現世での生理事情。本で調べたけれど、載っていなくて、仕方なくママに聞いた。一応侍女とかは人払いして。五歳がこんな話持ち掛けるだけで、変な目で見られそうな気がしたからだ。

 こういう時って、無邪気さが大事。小さいころって、赤ちゃんってどこからくるの? とか聞かれて困る親がいると思うが、そういう無邪気さを装って、生理の話をふってみた。普通、赤ちゃんどこからくるの、は聞いても、生理ってどうしているの、なんて聞く子供がいるとは思えないけれど。

 そこは、『本で見たのだけど』が私の常套句である。
 ママは困った顔をしながらも、答えてくれた。

 ママによると、生理の時は、赤いペチコートを何枚も重ね着するらしい。だがペチコートは、スカートの下に着るスカートと同じような感じで、股下がスカスカである。それでは、生理が足を伝っていかないのかと思ったが、ペチコート以外にも、赤の長い布を、簡単に言うとふんどし風に巻いて、腰の横で止めているらしい。

 そのあたりは貴族も平民も大きく変わらないようだったが、ママの場合は、生理中はできるだけ外出しないし、ほとんど座って過ごすらしい。ママの場合はそれでいいが、働いている女性はどうしているのかというと、仕事を休める人は休むらしいが、そうでない人は、ふんどし風の布とペチコートだけで動き回るとのこと。

 たぶんだが、それでは気づいたら大惨事になっている人もいると思う。パンツはやっぱり大事だ。それにパンツが浸透してきたら、生理事情にももう少し手を入れたいと思う。まあ、そのあたりは私がその年齢になるまでは期間があるので、おいおいにはなるが。どうしても自分基準になるので、つい後回しにしてしまうのは、許してほしい。

 ということで、しばらくはパンツ普及のために、尽力するのみである。

まとめ

お読みいただき、ありがとうございます。
次回に続きます。