七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 56話

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 56話

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七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~」56話
 

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 56話

 家族団らん中に、私はみんなにカイルが兄になり私が妹となったことを報告した。
 ママは大喜びで、パパも了承してくれた。問題は兄たちだが、シオンはどうでもよさそうな表情で肯定も否定もせず、双子は「これ以上男兄弟はいらない」とブツブツ言い、エメルは微妙な表情だったものの肯定したので、兄たちも概ね全員了承したと思っていいだろう。

 もしかしたら、両親も兄たちも、私の言い出したことだから、おままごとというか、お遊びの一種と捉えていたかもしれない。だけど私は本気だった。兄が六人だろうが七人だろうが、そう大差ないと思ったことも確かだが、単純にカイルが心配だからというのが大きかった。
 他人だとしても、妹という存在が、少しでもカイルの寂しさを無くしてくれればいいと思う。

 一点だけ修正させられたことがある。それは呼び方だ。
 カイルが呼び捨てで良いと言うし、私も他の兄たちを呼び捨てだから問題ないと思うのだが、カイルのことは「カイルお兄さま」と呼ぶようにディアルドが言うのだ。なぜか他の皆もそう呼ぶように言うので、カイルの呼び方は「カイルお兄さま」となった。私はミリィ呼びのままだ。

 カイルが兄となったからには、他の兄と同じように話しかけるようにした。まだ兄という属性に慣れていないカイルは、戸惑い気味ながらも、今までよりも会話のキャッチボールが増えた。私との会話が増えると、自然と他の兄弟との会話も増え、両親も安心した顔をしていた。

 それからの夏休みの二週間はあっという間だった。
 午前の勉強時間はそのままだが、午後はカイルとエメルと一緒に過ごした。
 敷地内を探検したり、ボートに乗ったり、ピクニックしたり、小川で水遊びしたり。
 エメルと添い寝の時は、カイルも一緒に添い寝した。まだぎこちないものの、カイルから私を抱きしめてくれたり、頬にキスしてくれたりした。
 カイルの笑顔が増えた。
 だけど楽しい時間というものは、どんな時より過ぎるのが早い。

「エメル、カイルお兄さま、お手紙書くからお返事してね」
「もちろんですよ」
「俺も書きます」

 エメルとカイルをそれぞれ抱きしめ、頬にさよならのキスを贈る。

「またね!」

 馬車の窓から顔を出した二人は、見えなくなるまで手を振っていた。

まとめ

お読みいただき、ありがとうございます。
次回に続きます。