七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 44話

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 44話

このページでは小説を掲載しています。
七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~」44話
 

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 44話

 私は四才になった。夏から秋へ季節が変わる時期。
 夏休みが明けたディアルドとジュードはテイラー学園へ戻り、私はというと、今日はピクニックである。

「さあ出発! ちゃんとついてきてねー」
「はい、お嬢様」

 私は侍女を二人連れ、屋敷のある敷地内の庭を歩く。最近風が冷たいものをまとうようになったが、昼間はまだまだ暑い。
 敷地内はとにかく広く、丘のようになっていて、意外と坂も多い。緑の木々の間を散歩し、芝生の綺麗な場所で昼食にすることにした。

 侍女が芝生に布を引き、昼食を用意する。その場所は木陰になっていて、風が涼しい。侍女と一緒にこうやって昼食をするのはなかなか楽しいのだ。本来であれば、貴族が侍女と食事などしないのだが、ピクニックの間だけの私のわがままで、一緒に食事をする。やっぱり食事は一人より大勢で食べた方が美味しいし楽しい。

 昼食が終わると、侍女が持ってきたクッションに頭を預け、お昼寝タイムである。夜でなければ悪夢を見ることもないので、心配することは何もない。

 昼寝が終わると、再び散歩だ。

(今日はどっちに行こうかなー)

 目的地を決めず、適当に歩くのも楽しい。侍女ときゃっきゃしながら適当に歩いていたが、途中でトイレに行きたくなったため、近くの屋敷に入った。

 敷地内には本邸以外にも屋敷がいくつかある。パーティー用の邸宅だったり、ご先祖様が何かの用途で建てたものだったりと様々だ。私がトイレで入った屋敷は、ご先祖様のどなたかが、母のために作ったと聞いている建物だった。

 何人住めるんだろうというくらい大きい建物だが、本邸に比べると小さく、また家庭的な雰囲気を持つ。ただ今は誰も使っていないので、しん……としていた。

 トイレから出た私は、少しだけ中を探検してみたくなった。侍女を連れ、建物の一階を回ってみる。
 この建物は、カタカナの『ロ』のような形をしていた。中庭があり、そこにはゴロゴロとここには不釣り合いな巨石がたくさん転がっている。その巨石は人間の大人くらいの高さがある。

 中庭からもれる日の光のおかげで、屋敷内は明るく、暗い印象はない。

(それにしても、あの岩なんだろう)

 素敵な雰囲気の屋敷だからこそ、あの巨石の不釣り合いさが際立つ。それも一つ二つではないのだ。よく見ると、巨石群の中央には、同じく巨石だがちょっと毛色が違う岩があった。周りの巨石がデコボコとした何の形とも言えない形なのだが、中央にある巨石は丸みを帯びている。それが、八個。

(ボール? いや、楕円?)

 丸みを帯びた巨石は、円形というより楕円に近い形をしている。
 中庭の中央まで見に行きたいと思うが、なぜか中庭へ行く入口がない。
 なぜかあの楕円が気になって、胸がドキドキするが、無理やり侍女を連れて行こうにも、「危ないです!」と止められるのがオチだろう。

(今度お兄さまの誰かを連れてこよう)

 この時は諦め、私は本邸へ帰るのだった。

まとめ

お読みいただき、ありがとうございます。
次回に続きます。