七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 39話

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 39話

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七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~」39話
 

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 39話

 冬に入り、休暇になったディアルドとジュードがテイラー学園から戻ってきた。
 そこで家族全員で温室にて植物に囲まれながら、お茶会をしていた。
 私はというと、ママの真似して優雅に見えるように、おすまししてお茶を飲んでいる。お茶の中身は甘いホットチョコレートなのだが、ぬるい温度だ。私は猫舌なのです。

 しかし時間が進むにつれ、アルト、バルト、シオンがふざけだした。私も仲間に入れてもらいたくて、くっ付いてまわっていたのだが、何がどうなったのか、私はテーブルや近くの木に跳ね返り、豪快に転んでしまった。

 少し涙目になった私は助け起こしてもらったが、その後スカートのふくらみをぎゅっと掴み引っ張った。
 穿いているスカートの下には、柔らかいペチコートを何枚も履いており、これのせいでテーブルに当たっては跳ね、木に当たっては跳ねたのだ。

「これイヤ!」

 せめてペチコートを何枚か脱ぎたい。

「嫌ってスカート?」

 ジュードが近づいてきた。

「スカート嫌! 転ぶの!」
「スカート可愛いよ? ミリィに似合ってるよ」
「嫌なの! ジュードのズボンはく!」
「ええ!? ズボンはダメだよ」
「どうして? ミリィ、ズボン可愛くない?」
「ズボン穿いても可愛いけどね? スカートのほうがもっと可愛いよ」

 私はぷくっと頬を膨らまし、ママに訴えた。

「ママ! ズボンもミリィ可愛いよ。ズボンはく」
「そうねぇ。ママもスカートのほうが素敵だと思うのだけれど……」

 何故、そうスカートをすすめるのだ。そういえば、私一度もズボン穿いたことないわ。寝るときのパジャマでさえ、緩いワンピースだった。そして、私どころか、他の女性でもズボンを穿いているのを見たことがない。これはもしかして、女性はスカートしか穿いてはいけない法律でもあるのだろうか。

 ズボンの方が動きやすいのに。物にも引っかかりにくいし、転んでも布面積が広いため怪我をしにくい。前世では今の私の年齢よりは下の子たちだが、つなぎというか、オールインワンの服を着て動きやすそうにしていた。それだけでなく、可愛さ満点だった。

 はっと私は思いつく。もしズボンを穿きたければ、私はここで戦わなければならないのでは。そしてきっと可愛いものなら、穿かせてくれるのではないかと。そして思い出すのは、巷で流行っているぬいぐるみ。

「ジュード、ぬいぐるみのズボンは可愛いの」

 それから十日後、ジュードは私の希望通り、猫の着ぐるみを作ってきたのである。作っては修正し、完成したモコモコの真っ白の着ぐるみは、フードに耳付である。モコモコ生地で暖かいため、今の冬の寒い時期にもピッタリ!

 現代にはない着ぐるみという服は、先にぬいぐるみを作成して流行っていたことで、簡単に家族に受け入れられた。私が猫耳付フードを被って動くだけで、みんなの頬は緩みっぱなしだった。

 猫の着ぐるみが好評だったので、ジュードは薄茶の熊の着ぐるみと、黒の猫の着ぐるみを作ったのである。私はズボンが穿けて嬉しいし、動きやすいし、みんなに可愛がってもらえるし、一石三鳥くらいである。

 そしてジュードは着ぐるみを販売しようとしている。今度は子供服部門を作ろうとパパと話しているのを聞いた。着ぐるみについては、一般的な反応を見るために、販売時期は来年にする計画のようだ。

 私としてはそんなことより、毎日着ぐるみを着て動き回れるので、ご機嫌である。

まとめ

お読みいただき、ありがとうございます。
次回に続きます。