七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 31話

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 31話

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七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~」31話
 

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 31話

 私は今ディアルドの部屋で、使用人たちが忙しそうに動き回っているのを見ていた。彼らは今度帝都にあるテイラー学園に通うことになる、ディアルドの荷造りをしているのだ。

 兄の話によると、テイラー学園は十三才から十八才の子供が通う学校とのことだった。まだ今は十二歳ではあるが今年十三を迎えるディアルドは、入学資格を得たということである。
 そこで家族から離れて一人帝都で暮らすことになるらしい。

(寂しいな)

 いつも優しい兄たちに囲まれ賑やかに楽しい時間を過ごしているため、一人でも兄が欠けることが心に穴が開いたような気持ちになるのだ。
 ただ、今回は両親も一緒に帝都へ行くことになっていて、ついでだからと私とシオンも連れだって行くことになっていた。

(初の帝都は、ちょっと嬉しい)

 パパと騎士団へ行くこと以外、屋敷から出たことのない私にとって、初の帝都、初の旅行は心浮き立つものであった。おかげで少しだけ寂しさも緩和できたような気がする。

 一か月ほど前の兄会議で上った、私が兄さまと呼び、実は兄たちの名前を知らないのではないか疑惑。もちろん、私は兄たちの名前を知っている。ただまだ言いづらいため、あえて「にーたま」呼びにしていたのだが、名前を憶えて名前呼びするよう練習させられ中である。

 ただ、本当に発音しづらいのだ。ディアルドなんて「であど」になるし、他の兄たちの名前も発音が微妙なところ。

 できればディアルドが入学するまでには綺麗に呼べるようになりたかったが、難しそうである。
 ディアルドは学園に入学と同時に寮生活になるらしく、しばらく会えない。だから、次会う時には、ちゃんと名前を呼べるように練習あるのみである。

 それから二日後、両親とディアルド、シオン、私は帝都へ出発した。

 荷物があるため馬車四台で移動する。
 一般的な馬車は、大人であれば最大で四人乗りだ。ただし女性が膨らみの大きいドレスを着用したりすると、大人四人はかなりぎゅうぎゅう詰めだろう。今回はママは旅行用で幅の少ないドレスであるため、両親、ディアルド、シオン、私の一家が馬車一台を占拠した。二台目三台目は侍女や下僕などの使用人が使う。それぞれの馬車の外側には荷物置き場があり、そこに荷物が乗っていたが、それにも乗り切れないものを四台目の馬車で運ぶのだ。

 途中宿に泊まりながら馬車移動が二日が過ぎると、今度は船に乗り換えた。川下りである。船は宿泊用の個室があり、船ではそこに泊まる。船であっても暗くなる夜に船は停船する。夜は岩や浅瀬に乗り上げたりすると危険なため、夜も休みなく移動することはない。ただ馬車より移動は早いため、帝都へ行く時はよく利用するらしい。船に乗り換え、さらに二日経過。そこからまた馬車に乗り換え、半日すると帝都へ到着した。

(さすがに疲れた)

 パパに馬に乗せてもらう時は酔わないのに、馬車は何故か乗り物酔いしてしまった。けれども、船は揺れが少なく酔わなかった。前世では海で船酔いしていたから心配したのだが、海ではなく川だから揺れが少なかったのかもしれない。

 どちらにしても、四日半の長旅は、私の体に負担がかかったらしい。
 帝都のダルディエ家別邸へ到着したとたん、私は熱を出した。

まとめ

お読みいただき、ありがとうございます。
次回に続きます。