七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 23話 パパ視点

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 23話 パパ視点

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七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~」23話
 

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 23話 パパ視点

 ネロがミリディアナの捜索に向かってしばらく経ち、執務室に再び集まった息子たちはミリディアナが地下五階という地獄の底のようなところに落とされたことに衝撃を隠せないでいた。ジル自身もイヤな想像が頭をよぎり、首を振る。

(まだ決まったわけではない)

 ミリディアナは無事だ。そう言い聞かせながらも、最悪な結果の想像が頭を離れない。最初こそ言葉を発していた息子たちも、今はみな無言だ。誰もが同じことを想像しては頭でそれを打ち消しているのを感じる。

「はい、ただいまー」
「……いまー」

 暗い空気の中、またもや場違いな声がする。そして、もう聞くことはないかもしれない、そんな考えがよぎったはずの、娘の声。

「あっぱー!」
「ミリディアナ!」

 ネロの腕からミリディアナが飛び込んできた。満面の笑みの娘は、いつもするようにジルに頬ずりをする。ジルは娘をぎゅっと抱きしめた。歓声をあげ、息子たちがジルの周りに集まる。

「無事だったか! 怪我はないか?」

 ミリディアナはところどころ汚れているが、一見怪我しているようには見えない。

「たんこぶがあるけど、他は大丈夫そうだよ。擦り傷とかはあるかもしれないから、確認したほうがよさそう」
「そうだな、セバス、医師を呼べ」
「父上! 俺にもミリィを!」

 息子たちがミリディアナを次々と所望するので、娘を息子に渡す。ジルは心底安心し、フラっとソファーに座った。こんな緊張感は久々だった。

「お嬢は大物だよぉ。地下であの暗闇の中、泣きもせずに一人で動き回って探検ときた」
「何をいう。訳も分からず、ただ動き回っていただけではないか?」
「そうかなぁ。あ、そうそう、とりあえず、今からお嬢の部屋確認してくるよ。他にも壁や床に穴があったら大変だからねぇ」
「ああ、頼む」

 ネロが消える。息子たちは交互にミリディアナを抱えながら抱きしめている。すると娘の頬や服の汚れが息子に移っていくが、それさえ愛しい。

 息子たち全員がミリディアナを抱きしめたのを確認し、ジルは席を立った。

「さ、ミリディアナをこちらに。フローリアも心配しているから、彼女のところに連れていく」

 息子から娘を受け取ると、執務室を出た。

まとめ

お読みいただき、ありがとうございます。
次回に続きます。