七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 151話

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 151話

このページでは小説を掲載しています。
七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~」151話
 

七人の兄たちは末っ子妹を愛してやまない~転生令嬢日記~ 151話

 冬休みがやってきた。今年は兄たち全員と私はダルディエ領へ戻り、久しぶりに家族全員が揃った。ダルディエ領はやはり帝都より寒く、少し風邪を引いてしまったけれど、高熱ほどまでではなかった。久しぶりに北部騎士団にも顔を出し、懐かしい面々と顔を合わせた。
 恐竜はかなり大きくなっていて、すっかり騎士団の仲間らしくなっていた。騎士を二人も乗せて走り、それでも余裕がある。三尾や一角も元気そうだった。

 そして冬休みが明け、帝都に戻ってきた。テイラー学園へ通い、ディアルドの結婚式の準備もした。

 そして結婚式まであと一ヶ月を切ったある日。
 ディアルドとユフィーナと三人でレストランへやってきた。食事と音楽の生演奏が楽しめるお店で、すごく人気なのだ。

「レンブロンさまは全て仕事を引き継ぎされたんですね」

 レンブロンはユフィーナの弟で、私の二つ年上なのだ。これまで両親のいないカロディー家の仕事をディアルドとジュードが変わってしていたのだが、この度仕事を全て本来のカロディー伯爵であるレンブロンが引き継いだのだという。

「ええ、これも全てディアルドさまやジュードさま、ダルディエ公爵さまのお陰です。これまでたくさん助けていただいて、本当に感謝しておりますわ」
「レンブロンはもう立派に一人前に仕事をしているよ。俺は何も心配していない」
「そうなのですね。レンブロンさまとは一緒に誘拐されてから会っていませんから。結婚式でお会いするのが楽しみです」
「そういえば、そうだったね。ミリィと一緒に誘拐されたのだった」

 あの時のレンブロンはまったく頼りなかった。しっかりしているレンブロンは想像できないが、小さいころから勉強熱心だったのは知っている。頼もしく育ったレンブロンが楽しみである。

 そのように盛り上がった話をしていた時、少し離れたところで客と給仕がもめている声がした。

「どうしたのでしょう?」
「彼は……オキシパル伯爵だね」
「ディアルドの知っている人?」
「話くらいはするけれどね。彼はアカリエル公爵家の縁者筋なんだ」
「そうなの?」

 オキシパル伯爵はアカリエル公爵と同じ位の年齢で、謝っている給仕に見下した目で冷たく言い返し、立ち上がり去っていく。その冷たさは絶対零度と言ってもいいほどで、誰が見ても気位の高い貴族然とした男性である。

「一緒に座っている人、置いて帰ってしまったわね」
「オキシバル伯爵らしい」

 あの気位の高さ、冷たさ、そして見下すような目。ぞくっとするほど綺麗な顔。

「オキシパル伯爵は結婚されているの?」
「しているよ。ただ夫人は亡くなられているけれど。確か息子がミリィの同学年だったと思うな」
「そうなの!? オキシパル、オキシパル、そういえばそんな名の人がいたような」

 ただあまり息子は印象に残っていない。話したこともないかもしれない。同じ学年なのに失礼すぎる自分に反省する。

「……綺麗な人ね」
「……ミリィ?」
「あ、息子じゃなくて、オキシパル伯爵のことよ。一緒にいた方って、恋人かしら」
「……ミリィ。彼は父上より少し下くらいの年だよ」
「ミリィと少し年が離れていて、ちょうどいいわね!」
「ちょうど良くないよ!?」
「そうかしら? 奥様と死別されているなら、後妻をとってもいいのよね?」
「ミリィ、ちょっと落ち着こうか!」
「ミリィは落ち着いているわよ。まずは息子から攻めた方がいいかしら? 将来息子になるかもしれないし!」

 慌てているディアルドと青い顔をしているユフィーナから思考は離れ、久しぶりに心躍る気持ちに気分が上昇した。

 それから一ヶ月近くが立ち、ディアルドの結婚式となった。
 帝都のダルディエ邸の庭で大々的に行われた結婚式は素晴らしかった。ユフィーナはとにかく綺麗で、ディアルドは惚れ直していることだろう。みんなに祝われた二人は、とても幸せそうだ。私もすごく嬉しい。そして兄しかいなかった私に、新しく姉ができたのだ。

 オキシパル伯爵のことが好きになって、その報告を兄たちにした。みんな固まっていたけれど、相手は貴族だし問題ないと思う。エメルやカイルにも報告をしたのだが、カイルの様子が少し変ではあった。やはり心配されているのだと思う。相手は年上であるし、私なんかでは小娘過ぎて相手にされない可能性が高いのだ。

 オキシパル伯爵の息子は確かに同学年だった。父であるオキシパル伯爵とは似ていない。いつも一人で行動していて、誰かと話しているところを見たことがない。何を考えているのか表情が動かないし、まだどのように話しかけようか迷っている。

 そうこうしているうちに、今年も社交界シーズンがやってくるのである。

まとめ

お読みいただき、ありがとうございます。
次回に続きます。